予防歯科シンポジウム
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講演紹介
歯科の保険点数が治療から予防へシフトして久しい。改定の度に、予防が重要視され、保険点数が伸びてきています。何故、厚生労働省は予防管理型の保険治療にシフトするのでしょうか?それは予防で総医療費が減少するというデータが存在し、エビデンスが確立されているからではないかと思います。保存治療や補綴治療で医療費が減少するというデータは残念ながら出ていないようです。
もはや、保存治療や補綴治療での歯科医院経営は立ち行かない状況になっています。SPTを歯科衛生士中心で行うと20歯以上残存であれば1200点以上になり、水平埋伏歯を抜歯することと同じくらい、大臼歯の3根管の抜髄・即充より高い点数となります。毎日、歯科衛生士が25人の患者さんをSPTで管理すれば、歯科医師が水平埋伏歯の抜歯と大臼歯の抜髄・即充を合わせて毎日25症例治療しているよりも高い点数となります。
予防管理のSPTの場合、歯科医師は管理を行うだけとなります。患者から感謝され、国から感謝され、スタッフから感謝され、毎日を楽しく仕事ができるのではないでしょうか。
また、小児は小児口腔機能発達不全症で管理ができますし、高齢者は口腔機能低下症で管理ができます。しかも点数は高く、経費は非常に少ないです。
では、どうしたら、うまく管理ができるのでしょうか?生田歯科医院と天草訪問歯科クリニックでは、治療の内容(小児口腔育成⇒P重防⇒SPT⇒口腔機能低下⇒予防管理型訪問歯科診療)をほとんどマニュアル化することで、どのレベルの歯科衛生士でも行えるようにしています。今回の講演で、どのようにしているのかその概略についてお伝えしたいと思います。また、口腔の機能として、「咀嚼・発音」を中心とした考え方から、「咀嚼嚥下・発音+呼吸」を中心とした考え方に変えることで、今までの疑問点がほとんど解決し、目指すべき口腔の状態が明確になると思います。この点についても少し述べたいと思います。