A1会場 (ランチョンセミナー)
6月10日(土)⏰12:00〜13:00
“か強診”の活かし方
6月11日(日)⏰10:00〜14:00
予防歯科シンポジウム
Career
経歴
康本征史(ヤスモトマサフミ)
1965年生まれ
1991年 東北大学歯学部卒業
1994年 康本歯科クリニック開設
2014年 医療法人社団 感・即・動設立 柏の葉総合歯科・小児歯科開設
2023年 沖縄県うるま市 きゃんメディカルプラザに TsugaYasu 歯科 開設予定
・書籍
行列のできる歯科医院2(デンタルダイヤモンド社)
未来型歯科医院を作ろう(医学情報社)
・活動
2006年 定期管理型予防歯科医院の作り方 シンポジウム(日本教育会館)
2008年 康本塾開講
2009年 定期管理型予防歯科医院作り方 シンポジウム(神戸国際会議場)
“か強診”の活かし方
1961年に国民皆保険制度がスタートして以来60年以上が経過した。社会況の変化に合わせてその内容も大きく変わり、近年、疾病保険の中においても重症化予防が強調されてきていることは記憶に新しい。
歯科を俯瞰すれば、インプラントや矯正など自由診療に重きを置く、あるいは志向する歯科医師が今も大変多い。医療における技術職ゆえある意味当然であるが、医療を提供する歯科医院として、また保健医療機関としての役割やその経営を考えるとき、国が目指す方向を無視してはならないと考える。
私が歯科医師になったのは30年も前になるが、大いなる反省を込めて言えることは、「歯の神経を取ることや抜歯することを軽く考えていた」ことである。当時の医療水準と言ってしまえばそれまでだが、その後の再根治や歯根破折など歯の喪失につながる治療を、今ではとても悔やんでいる。だからこそ、21世紀に入り、むし歯や歯周病を予防しようといった動きが出てきたことに救われ、どうすれば医院に定着するのか、スタッフ共々努力を続けてきた。
幸い地域の方々に見捨てられることなく医院が継続でき、患者の多くが定期的に来院される形が「普通」となったが、今でも当時の治療のやり直しを余儀なくされており、反省することしきりである。
一方、「いかに人に(口腔に)早く出会うか」については未だ解決できない課題と言える。小児歯科専門を開設したことで、子どもたちへの早期管理の実現はできたものの、成人に関しては、あくまでも待ちの姿勢に変わりがない。今回、このような機会をいただき、ぜひ、歴史の流れを踏まえながら未来についてお話をさせていただくことで、参加者のお役に立てればと考えている。